2024年12月04日

【役員研修】物販で500億、外食で500億。海外人材事業は「明治維新の日本の勢い」で伸びてくる!

11月16日、2024年11月度の役員研修を開催しました。役員研修は、グループ会社の役員・幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。今回は、社長の講話から、日本人としての躾と、ゲームチェンジャーについてお伝えします。

自己主張の前に、気配りはできているか、空気を読めているか

―社長
 明治初期にヨーロッパから来日して東北を旅した女性が日本について書いた本がある。子供たちは人懐こく、自分のところに寄って来る。その頃の日本は他のアジア諸国同様に貧乏だったが、他の国と違って、何かを欲しがる子供はおらず、子供たちを部屋に招き入れたときも何か盗まれることもなく、貧乏でも卑しくない、不思議な国だなと思ったという。これは日本人が積み重ねてきたものだ。
 ところが第二次世界大戦の敗戦後、GHQの占領政策で、それまで日本人が大事にしてきた思いやりや礼儀、家族愛、大和魂といった価値観を否定する教育が行われた。なぜなら、国のため、家族のためなら命をも捨てるという日本人をそのままにしておくと短期間で復興して、またアメリカと戦えるくらいの力を持つようになると思われていたからだ。
 以前、ある会社の役員会の後の懇親会でこんなことがあった。俺を含めて8人が参加して、4人ずつのテーブルに分かれて座った。各テーブルに大皿で刺身が運ばれてきて、刺身各種が8切れずつ盛られている。つまり一人二切れだ。すると、社外役員の公認会計士が乾杯も終わらないうちにハマチを二切れ食べて、またすぐハマチを取ろうとした。俺は怒ったよ。「会計士なのに計算もできないのか!」と。その人は、頭はいいが行儀が悪かった。ただ、その人を作ったのは躾ができない親であり、その親を作ったのは戦後教育だ。俺が子供の頃には、いたずらばかりするものだから近所のおやじから頭をはたかれたりして、社会全体で子供を躾る風潮があったよ。礼儀を教えたり、我慢させるということを子供に教えていた。しかし戦後教育で、子供を大事にしよう、自己主張ができるようにしよう、という教育が行われ、「周りなんて関係ない、自分はこうしたいんだ」という自己中心的な主張をする人が増えていった。自己主張は相手への思いやりや礼儀を持った上で行うものだ。空気を読んでいるか、気配りができているかが大事だ。テンポスではかつての日本にあった躾を大事にしていきたい。その為に、幹部社員は親から教わった躾を一人20個書き出して持ち寄って、テンポスとしての躾を作り上げていこう。

―社長
 「大艦巨砲主義」という言葉がある。巨大な大砲を積んだ大きな艦船を作って敵を駆逐していく、“大きければ強い”というやり方だ。テンポスバスターズは物量で競合他社を駆逐する戦法で成長してきたから、今までのやり方は「大艦巨砲主義」と言える。これはうまくいっているから今後も続けていくが、第二次世界大戦中、大艦巨砲主義に真っ向から異を唱えたのが山本五十六だ。これからは航空機の時代だと主張して航空母艦を作り、大砲の代わりに飛行機で上から爆弾を落として巨大な戦艦を沈め、世界を驚かせた。テンポスの航空母艦は何か。

 テンポスバスターズの販売員の成績上位10人の顔ぶれは、ここ5年間ほぼ入れ替わりがない。上位20人も、50人も同じようなものだ。今までどおりにやって、今までどおりの順位に落ち着いているに過ぎない。俺が東芝テックでの営業マン時代に全国1位になったとき、次の年は、周囲が腰を抜かすくらいの1位になろうと目標を立てた。そして桁違いの1位になってみせた。すると、後を追う2位以下もこれまでの限界を超えて肉薄してくる。俺は3年連続でトップを取り、しかも驚異的な成績を叩き出したことで、俺以外の営業マンの数字も格段に上がったよ。刺激を与えたことで、それに追随する人が出てきたということだ。つまり、桁違いの成果を出す社員が一人いるだけで、会社の数字は上がる。そんなゲームチェンジャーが、今のテンポスには必要だ。
 そのためには、社員本人の頑張りだけでなく、会社として、社員が「桁違いの成果が出せる仕組み」を作る必要がある。例えば、後継者に悩む飲食店と事業拡大したい飲食店をマッチングする事業承継を社員が担えるようにし、事業譲渡やM&A仲介を通じて桁違いの利益を得られる体制をつくっていく。このようにして従来の単なる物売りから脱却し、一人当たりの粗利をべらぼうに増やしていく。

 また、M&Aも行いながら企業規模を拡大し、基幹事業の物販事業では500億、外食事業では500億、この2つの事業を盤石にしながら、1000億を目指す。採用も変える。テンポスバスターズを表に出さないで、テンポスドットコム、情報館、そしてまだ規模は小さいがこれから明治維新の日本と同じような勢いであっという間にガンガン伸びてくる人材事業のディースパークを表に出して人材採用を強化していく。海外にも積極的に出ていく。注目しているのはアフリカだ。まだまだ模索中ではあるが、冷蔵庫や製氷機が普及していないために腐った食べ物を食べて死ぬ子供が何十万人といて、国連での課題になっている。アフリカで中古厨房機器の再生センターを作ったり、あるいは日本語を教えて日本で働いてもらうこともやっていきたいと考えている。

編集後記

 今のアフリカは、数十年前の東南アジアの状況によく似ているそうです。東南アジアの発展ぶりを思うと、期待も大きくなりますね。もちろん日本からは物理的にも歴史的にも東南アジアより距離がありますが、それこそゲームチェンジで一気に距離を詰めて、アフリカと日本の関係をぐっと近いものにしたいと思っています。

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