管理職に求めるもの

競争社会で生き残る

私たちは競争社会の中で生きています。そのため、大原則は競争社会で何をするべきかです。
判断基準は「自社」ではなく「他社」との比較です。
部下の教育の達成基準は、「あなたは頑張った」ではなく「これなら競合他社と戦える」、でなければなりません。努力の基準は、全て、「他社と比べて」であり、奇跡的に残っている自己中心的な「俺のやり方」を通している人は、運が良いだけで、博打に入れ込んだり、女に入れ込んだりしてるよりも始末が悪い!のです。

リンゴと人間(人のせいにしない)

ある店舗の業績が2ヵ月連続でダウンしています。店長に理由を聞くと、「400m先に新しくできたステーキハウスにお客をとられてしまいました。」と答えました。
しかし、それは台風で木からりんごが落ちた時に、りんごが「風が強くて落ちました」と答えているのと同じです。「競合店ができたので、対策を打ちました。しかしどれも企画が甘く、自分の打った手が悪かったため売り上げが落ちました」こう答えるなら人間です。「何々のせいでこうなった」と思った途端にあなたは人間ではなく「りんご」になります。
今の自分の全ては、誰のせいでもなく、自分自身が作り上げた結果なのです。

人を巻き込む

人は指示、命令だけでは動きません。ましてや褒賞や給与、待遇でも動きません。目の前に人参をぶら下げたとき、少数の前向きな人は動いても、大部分の人は動かないでしょう。
「今月の予算は5,000万円だからね」と言っても、相手は話を合わせて「えいえいおー!」くらいは言ってくれるかもしれませんが、予算達成に向かってやるわけではありません。だから、まずは強制的に電話掛けをさせたり、接客する回数を増やしていきます。そして、それが成果にあらわれるようになったら、次は、相手をその気にさせるような話し方や接し方に変えていきます。
例えば、「すごいじゃないか。どういうふうに声をかけているのか、見せて欲しい」と言って、みんなの前で見本を見せてもらいます。すると、見本を見せた人は、その後も接客をする中で何かコツを掴んだ時は、「こういうやり方が良いですよ」と言ってくれるかもしれません。
チーム全員が参加していること、本人自ら参加していること、この2つの条件がクリアできたとき、巻き込めていると言えます。

上司と部下

どんなに優しい口調でも、上司が部下に指示を出せばそれは命令です。それに対して部下は「嫌です」「無理です」「やったことがありません」などと言ってはいけません。上司は、その人のできる範囲で指示を出しています。
しかし、指示を出したからといって、部下がその通りにできるわけではありません。その時は、上司が部下をトレーニングします。トレーニングで大事なことは「トレーニングをしたか」ではなく、できるようになるまでやり続けることです。
できるようになるまでトレーニングを続けるのは、上司の責任です。