2024年5月30日
【役員研修】テンポスが経営で重視する3つの観点と、幹部社員の役割5月18日、2024年5月度の役員研修を行いました。
役員研修は、グループ会社13社の社長・幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。今回、社長の森下は、経営に必要な三つの観点について話しました。
テンポスが経営で重視する三つの視点「利益」「顧客満足」「従業員満足」
―社長
我々幹部は、テンポスグループが競争社会のなかでどういう位置づけか、またどうすれば評価されるかを勉強しなければならない。我々が経営で重視するのは「利益」「顧客満足」「従業員満足」の三つの観点だ。
例えば、「ステーキのあさくま」の顧客満足を考えるなら、まず“顧客満足度が高い”とはどのような状態をさすのか。そして、それはどうすれば実現できるかを考える。お客様が何度もリピートしてくれることが顧客満足の高い状態だと仮定したならば、他社とどんな差別化を図るのかを考える。ただ単に美味しいものを提供するだけではお客様は満足しない。そこでまた考える。「ステーキのあさくま」で過ごす時間が『良いひと時だったな』と思って帰ってもらえるようなサービスを提供できないか。では「良いひと時」とは何か――。このように分解し、顧客満足を追求していく。
従業員満足についても同様に、従業員が満足しているとはどのような状態か、ゴールや目標を考え分解していく。何十年も前であれば「働きやすい職場」を考えることは少なかったが、今の時代は、休日の多さや福利厚生、ライフスタイルに合わせた働き方の選択肢を求める人が増えてきた。そのため企業は「働きやすい職場」を提供しない限り優秀な人材が集まらなくなってしまう。競争社会の中で、自社の従業員にとって「働きやすい職場」とは何かを考えていこう。
目標を持って工夫改善し、成果が出るまで我慢してやり続ける
―社長
かつて、ビジネスマンのスーツは仕立て屋が売っていたが、今ではほとんど仕立て屋を見かけなくなった。
紳士服店がじわじわと拡大しているにも関わらず、仕立て屋は真面目に一生懸命仕事をするだけで、紳士服店対策はほとんどやってこなかったからだろう。
大手紳士服店もいきなり何百店舗もできたわけではない。
10年、20年をかけて、強いものが生き残った結果、全国展開する大手紳士服企業がでてきたのだ。
飲食店も同様で、まじめに一所懸命働いても、競争社会で生き残るために何をすべきか、他店と比較し自店に足りないものは何かという観点がないと消えていってしまう。
ここに超富裕層からマス層(一般層)別の金融資産の保有額のピラミッド図がある。最上位の超富裕層は全体のわずか0.1%。77.7%の最下層が大半で、この層の金融資産額は世帯平均で400万円だ。
また、超富裕層の金融資産は10年間で2倍以上に増えているのに対して、マス層は1.3倍にとどまっている。つまり、マス層はあまり変化がなく上に上がれないということだ。マス層は居心地がよく現状に満足しているからだ。
日本全国には368万社の法人があるが、そのうち売上1000億円以上の企業は930社と全体の0.02%しかない。
しかし、この930社だけで368万社の売上の40%を占めている。コロナ禍を乗り切って最高益になっているのは大手が殆どで、中小で伸びているのはほんの僅かである。むしろ次々に入れ替わっている。
国民の金融保有額の構成比にしろ、法人数にしろ、世の中は少数の強いものが成長し続け、全体の大半を占める最下層にいる普通の企業や普通の人達は、競争社会では淘汰されていく。
最下層を抜け出すには、成果が出るまで我慢してやり続けること、目標を持つこと、工夫改善をすること、この3つである。能力の高い、低いは関係ない、取り組む姿勢である!
我々幹部は、居心地の良い空間に留まっている最下層の“普通の人達(社員)”を、引き上げて会社を発展させていかなければいけない。そのためには、社員に目標を与え、そこに向かって工夫改善をさせること。
絶え間ない工夫改善をする、そんな集団を作っていく。同時に、その人達が働きやすい職場を作り従業員満足を高めることも大事になってくる。
上に立つリーダーは実績を上げるだけでなく、人間性そのものを高めることも必要だ。人が組織を作っていくのだから。
戦後教育で失われた日本人の精神を取り戻す
休憩を挟み、後半は日本人教育の話がありました。
―社長
終戦後、GHQは祖国を守るために驚異的な精神力で凄まじい戦いを見せた日本を恐れ、日本人の精神を捨てさせる教育改革を行った。
その結果、今ここにいる我々は日本に生まれて日本語を喋るだけで、真の「日本人」ではなくなってしまっている。
昭和19年、陸軍所属の小野田寛郎少尉はフィリピンでのスパイ活動を命じられた。敵の様子をつかんで報告する任務だ。
しかし隊から離れて一人で行動していたため終戦を知らなかった小野田少尉は、自分の任務を果たすため、29年間フィリピンに潜伏し続けた。
発見されたとき、銃はきちんと手入れが行き届いていて、いつでも撃てる状態だったという。
小野田少尉が帰国すると『20歳から29年間も、貴重な人生を無駄にさせた国は謝罪をすべきだ』という世間の風潮に対して「自分は任務を遂行していたのであって、無駄に人生を過ごしていたわけではない」と言ったという。
また、戦死した隊員たちについても「国家の犠牲になって死んでいった者は一人もいない。みんな胸を張って誇りを持って死んでいった。」と語っている。
戦争になったら戦いますか、というアンケートをとると、韓国の若者は8割が「戦う」と答えるという。国境を超えて掘られたトンネルがいくつも見つかるなど、日常的に北朝鮮の脅威を感じながら生活しているからかもしれない。
100年間も戦争がない、脅威のない環境で育ってきた多くの日本人の若者は「逃げる」と答える。しかし我々の国家は我々が守るしかない。小野田少尉の言葉をかみしめる必要があるだろう。
日本は外国と陸続きではないから何千年も同じような民族で暮らしている。
これは世界的には珍しいことだ。日本では多様性が叫ばれているが、いろんな人種、民族が入ってくる他国では多様性なんて当たり前のことだ。
自分の意見をはっきり伝える外国人が多いのは、いろんな人種、風習があるため、伝えないと分からないという社会の中で生活しているからだ。
一方で、同じ民族で暮らし続けてきた日本は「言わなくても分かる」という、察する文化が根付いているし、それを良しとしてきた。むしろ「言わなきゃ分からない、では話にならない」という文化だ。
日本人であるということは、空気を読めなければならず、そういう練習をしたり、教え込んでいかないといけない。
また、我慢を教えることも大事だ。例えば新卒が「自分に合った会社では無い」と言って辞める人がいるが、自分に合った会社・職場などどこにもないことを教えないといけない。
仕事を続けているうちに、少しずつ馴染んで、それが「自分にあった職場」になっていく。合わせるのは自分であって、そのためには我慢が必要だ。我々は、我慢することや躾、礼儀を教えこんでいこう。そして「日本人とはこういうものだ」という定義を我々が作り上げていこう。
(編集コメント)
今回も参加者たちはグループワークを通じて「日本人としてどう生きるべきか」について意見を出し合いました。まだまだ理解が及ばない「日本人」のあるべき姿。がんばって「日本人とは」を作り上げていきます!
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