2023年08月21日
【役員研修】ビジネスの実社会で生きるんだ!戦略を立てるときに理論・法則を討論する必要はない!2023年8月19日、役員研修を行いました。 役員研修は、グループ会社11社の社長・幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行っています。 今回は、新たにグループに加わる(株)ヤマトの清水社長と斉藤常務も参加。お二人ともバシバシ質問し強烈な印象を残していったのでした。 テンポスの外食事業、面白くなりそうです。
理論・法則をどう活かし、実社会でどう戦うんだ。テンポスの戦略の立て方
さて、今回は「戦略の立て方」についてです。
今、テンポスグループは単なる物販会社から、飲食店経営支援も行う企業になることを目指しています。
そのためには、既存事業を伸ばすだけでなく、長期成長戦略をとることで新規事業にも精力的に取り組む必要があります。
テンポスグループ連結11社が事業計画を立てる際は「前年から何%伸ばすか」ではなく、「前年から何倍に伸ばすか」を考えた事業計画が求められています。それくらいダイナミックな戦略の策定と実行が求められている時期なのです。
では、実際にどのような戦略を立てていくのか。
代表取締役社長の森下は、次の話をしました。
―森下
テンポスが事業方針を立てる際に大切にしていることは3つある。
・お客様は喜んでいるか(顧客満足)
・儲かっているか
・従業員はイキイキと働いているか
では、この3つの内、どれを一番優先に取り組むべきか。
これを決めるために何時間も会議で話しあう会社があるだろ?
「顧客満足なくして利益はない!」とか「組織の力は従業員の個の力あってこそだ」とか。
みんな「第一に○○をすべき」とかを大事にしようとする。
仮に、第一を決めるなら、学術的には「お客が満足しているか」を一番にするべきとなる。
ドラッカーだってそういっている。
でもドラッカーの本は、1千億とか1兆円の経営者が読むような本だ。
だから中小企業の社長はそれを鵜呑みにしてしまうと、打つ手を間違ってしまう。
我々が生きているビジネスの実社会では、どれを一番にするかを決める時間をとる必要はない。
ひたすら、「お客様は喜んでいるか」「儲かっているか」「従業員はイキイキと働いているか」の3つを同時に追求していくこと。
自転車を漕ぎ始めたとき、前輪と後輪のどちらが先に動くかというと、後輪。その直後に前輪が回り始める。
だから物理的には自転車は後輪が先に動くけど、実際は、後輪と前輪はほぼ同時に動いているんだ。
ビジネスの実社会はこれと全く同じなんだ。
理論や法則は大事だけど「実際はどうなんだ」を理解していないと、討論が好きなだけの会社になって、たちまち競争社会では負けてしまう。
この話に対して、研修参加者はどのように感じたのか聞いてみました。
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―テンポスドットコム 社長 品川
(通販事業 年商33億)
経営とは相反することを同時に行うことだと、入社時から何度も教わってきましたが、現在、自分の経験と能力を超えた規模になり、なかなかうまくできずにアップアップしている状態です。
今回の研修で勇気を注入できましたので、この3つを同時にダイナミックに進めていきます。
①顧客満足→通販・飲食店開業・厨房のプロを作って対応レベルを上げる
②儲かっているか→既存事業の目標達成と新事業立ち上げ(内装屋・広告収入等)
③社員がイキイキ働いている→階層別の評価教育体系と研修の実施
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―ヤマト 社長 清水
(回転ずし・卸・観光 年商70億)
今までの戦略は、①観光②小売り③外食の順番で力を入れていく考えでしたが、森下社長の話を聞いて、順番を決めてはいけない、3つの事業を同時に発展させるくらい力を入れていく考え方に変わりました。方針変更です。
テンポスバスターズは、やたらめったら新規事業に手を付けすぎている
「2023年度はダイナミック戦略」と銘打ち、主力事業のテンポスバスターズでは新規事業として、不動産紹介、内装工事の元請け受注の獲得に力を入れています。なぜなら内装工事を獲得することで、その後の厨房機器一式を受注し、新規開業するお客様一人当たりから300万円を獲得することができる考えからです。
現状、新規開業するお客様の客単価は25万円しかありませんので、内装受注は客単価アップの重要な施策です。
関連記事:飲食店の物件紹介事業開始。新店オープンを獲得して、中核事業は年商161億円から484億円を目指す
しかしテンポスバスターズは中古厨房業界では圧倒的1位のシェアを獲得していますが、厨房メーカー全体から言えば、規模はまだまだ小さい。上場している北沢産業で年商162億と、テンポスと同規模ですが、マルゼンで500億、フクシマ1000億、ホシザキ3000億。
つまり、まだ年商166億程度のテンポスバスターズは、本来、厨房機器販売にもっと絞り込んだ戦略と実行が必要だといえます。森下は「この規模で厨房以外の分野、内装や不動産、インバウンド集客支援など手を広げすぎ。気が散りすぎている」と自分で言ってしまっているくらいです。
その中で、なぜ新規事業にも力を入れているのかというと、長期成長を見据えて新規事業を育てる必要があること、またダイナミック戦略という観点から、事業規模を2倍、3倍にしていくために、既存事業を成長させるための着火剤となるサービスを作り上げる必要があるからです。
そのため、役員研修ではテンポスバスターズは、厨房機器販売だけで競合メーカーと並ぶ500億規模にしていくこと。同時に、厨房販売の着火剤となる不動産・内装分野の事業を育てること。長期目線で物販以外のサービスを確立させること、これらを同時に行っていくことで、テンポスバスターズ単体だけでも1000億規模になることを目指しています。
以上、テンポスグループの戦略の立て方の考え方でした。
次の記事では、これらの戦略を実行するにあたり、組織をどう動かしていくかをご紹介します!
ヒントは「ダイバーシティ」です。
それでは、またお会いしましょう!
広報 乙丸
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