2023年04月06日

飲食店の物件紹介事業開始。新店オープンを獲得して、中核事業は年商161億円から484億円を目指す

2023年1月から始まった、不動産紹介事業。今までは、「不動産紹介事業やるぞー!えいえいおー!」と掛け声ばかりで、実際に紹介していたのは、月に数件程度…。しかし、テンポスが大きく成長するためには、不動産紹介事業は欠かせません。その理由も含めて、営業本部部長の遠山貴史に聞いてきました。

物件紹介で客単価25万円を100万円へ、一気に引き上げる

役員研修
テンポスホールディングス取締役/テンポスバスターズ営業本部統括部長 遠山貴史。 早口で話すので、もう少しゆっくり話して欲しいと周囲から言われ、気にしている遠山。「今日は、ゆっくり話しますよ」と真面目なふりしているところを撮影。

テンポスには年間63万件の飲食店オーナー・店長が来店しており、売上高は161億円あります。その内訳を見てみると、来店客の内96%は既存のお客様、4%は新店オープンのお客様です。しかし、それぞれの客単価は既存顧客は11,000円、新店オープン顧客の客単価は245,000円と、新店オープン顧客の客単価の方が圧倒的に高いのです。ここがポイントになります。161億円の年商の内、新店オープン顧客数はたったの4%ですが、売上は4割を占めているのです。

▼テンポスバスターズ 来店客の構成比と売上構成比

来店客の構成比と売上構成比

飲食店が居酒屋をオープンするときは、厨房や店舗用品に約300万~470万円のお金がかかります。この金額から考えると、新店オープン顧客の客単価は“たった245,000円しかない”と言えますよね。つまりこの客単価は、伸びしろがあるということです。
我々は、新店オープン顧客の客単価を245,000円から1,000,000円(4倍)にするという目標を掲げています。

新店オープンの顧客数1.6倍・客単価4倍 年間売上161億から484億へ

問題は、テンポスに来店する時点で内装工事が決まっている飲食店が多いこと

新店オープン顧客の客単価を4倍にするためには、開業に必要な厨房機器一式、業務用家具、食器、調理道具など、できるだけ多くのものをテンポスで購入して頂く必要があります。しかし、新店オープンするお客様の8割は、テンポスに来店する時点で、内装工事が決まっています。内装工事が決まっているとうことは、ある程度、厨房機器のめぼしも他社でついている状態が多いのです。そのため、その段階からテンポスが提案したとしても、購入してもらえる商品数は少ないのです。
そこで不動産紹介事業です。
内装工事が決まるよりも前の段階、物件を探している段階から、新店オープンするお客様と接することで、お客様を囲い込み客単価アップを図っていきます。そのための不動産紹介事業なのです。

図1

実際に不動産紹介事業って何するの?

現状、取り組んでいることは、①出店したい飲食店を集める(目標は1万件)、②飲食店向けの物件を地元不動産やから集める、③閉店する飲食店さんから物件を集める、この3つです。テンポスバスターズに来店するお客様に声掛けを行い、新店オープンするお客様や多店舗展開したい方を掘り起こします。その時に、半年以内に出店したいか、1年以内に出店したいか等をヒアリングし、分類ごとに自社データに登録しておきます。

一方で、全国63箇所あるテンポスバスターズ店舗では、各地域の不動産会社に電話や訪問を行い、飲食店向けの物件情報を集め、それらも自社データに登録します。そして出店したい人と物件をマッチングしていくのです。

【強み】閉店情報から物件を集める。これはテンポス独自の不動産情報

物件情報の入手経路は、①地元の不動産から物件を集める、②閉店した飲食店から物件を集める、この2通りと前述しましたが、特に②はテンポス独自の物件情報です。

通常、閉店するときは、3か月や6カ月前に大家に解約予告を行い、解約予告後は物件をスケルトン(元の状態)に戻す必要があります。飲食店の場合、そのスケルトン費用も坪当たり3~5万円と高額です。40坪の焼肉店なら150万程の費用がかかるという事です。そのため、閉店するオーナーは居抜き物件として、次の借り手に譲渡した方がお金をかけずに閉店できるのです。

現在、テンポスバスターズの買取担当は、買取依頼を受けたときに、居抜き物件の売却を提案します。(他にも、次の転職先を紹介する等、単なる厨房機器の買取・査定だけが業務ではありません)
実際に、2023年3月に閉店する飲食店様から物件を預かれたのは120件ほどです。居抜き物件にするメリットをお客様に上手に伝えたり、不動産屋と上手に交渉する等、今までやったことがない業務ばかりで、買取担当はてんてこまいですが、まずは月200件の物件情報を獲得できるように、毎日トレーニングに取り組んでいます。

いったい、いつから不動産紹介事業は軌道にのるのか?

2023年1月から「出店したい人」を集めてきた結果、1,500人が集まりました。その内訳は下記の通りです。

表2・出店したい人

現状、出店意欲のある1,500人の内、1~6カ月以内に出店したい人の割合は32%です。まずは半年以内に出店したい層に対して、物件を紹介し成約を獲得、その後の厨房機器の一式受注を獲得してまいります。物件の内見同行時は、弊社社員が厨房機器に必要な電気容量等の確認を行えるため、よくある飲食店開業の失敗、例えば「物件の電気容量が足りなくて、追加工事が100万円かかった…」等の、飲食店開業の失敗を防ぐという点でも、飲食店様の物件探しに貢献できると考えています。

一方で、1年以内に出店したい飲食店には、出店のハードルとなってる経営課題、例えば人手不足や資金問題などを解決する支援にも取り組んでいきたいと考えています。ただ、これはテンポス社員の教育に時間がかかるため、できるようになるのは少し先の話になりそうです。

不動産紹介事業を軌道に乗せるには、次の3つの量と精度を上げる必要があります。

  1. 飲食店向けの物件情報を集める
    (出店したい人は、テンポスに来店する方から掘り起こすので、難しくない)
  2. 契約までのアドバイス(物件の良し悪しの判断・業態に合わせたおすすめ)
  3. 内見から契約までのフォロー営業

これらの課題に取り組み、不動産紹介事業を軌道に乗せていきますので、テンポスバスターズの成長にご期待ください!

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