従業員の叫び
新型コロナ感染者からの緊急提言

新型コロナ感染者からの緊急提言 その2
コロナの何が辛いかって、罪悪感からくる精神的なものだよ

田中良宗さん(44歳)

「はじめは、ただ熱っぽいだけでした」
そう話すのは40代の田中さん。

違和感は、5月18日18:30頃。退社する時に、会社の体温計で測ると36.9度だった。家に帰ると37.0度になったので、次の日は大事を取って、休みを取ることにした。

その翌日、朝は熱が下がったので、ほっとして会社に行った。しかし、午後、また熱っぽさを感じたため病院に行くと、すぐにテントに案内され検査を受けた。「保健所から電話が無ければ、陰性です。陽性ならすぐ対応して下さい。」と言われ、落ち着かない時間を過ごしたが、1時間後、電話が鳴った。「陽性です。すぐに家の中を隔離してください。」

そこからが大変だった。
5月18日18:30を起点に、48時間を分刻みで、どこに行ったか、誰と話したか、マスクは付けていたか、対面で座ったか等、保健所に細かく聞かれた。

48時間の内、唯一、外で食事をしたのは会社の後輩だった。ランチを一緒に食べたのだが、「マスクを外して15分以上会話をした」ということから、彼は濃厚接触者となった。濃厚接触者と指定されたのは、妻と後輩の2人だった。検査後、妻は陰性、後輩は陽性だった。

「嫁と一緒に過ごす時間の方が圧倒的に長いのに、嫁は陰性で、彼は陽性だったんです。誰が感染してもおかしくないんだなと思いました・・・。」

コロナ発症から2日後には食事も水も飲めなくなった

「最初はぜんぜんたいしたことなくて、微熱がずっと続いている状態でした。コロナの薬は無いので、その時は、タンが辛かったので、タンの薬をもらいました。そして、自宅の1部屋を私専用の部屋にして、自宅療法することになりました。でも、次の日から、熱が1時間おきに、38.8度に上がったり、36.8度に下がったりを繰り返すようになりました。熱が上がると、頭がめちゃくちゃ痛くなるんです。水も食事ものどを通らなくなり、体が弱っていきました。そのため、先生に入院するように言われました。」

入院の理由は、熱の高さよりも、食事や水を取れないという理由が一番大きかった。入院してCTの検査をすると、肺はまっしろだった。幸いにもステロイド剤を投与すると、その日のうちに熱は下がり、頭が痛いのも治った。そして次第に食事もできるようになっていった。

しかし、合併症が出てしまった。糖尿ではなかったのに、糖尿病の発祥の恐れが高くなったのだ。副作用が出るかもしれないと説明は受けていたが、ショックだった。

入院から8日後、やっと退院できた。

病院は戦場だ

入院した病院は、昨年、コロナ用に建てられたプレハブの建物だ。その病院では、1部屋ずつ間隔を空けて患者が入院していた。しかし、プレハブのため、どうしても音が漏れてくる。女性の苦しそうな声、叫んでいる人の声、「大丈夫ですよ」と何度も声をかける看護師の声、吐いている人の音も丸聞こえだった。入院して、自分はまだまだ軽傷だったと思と同時に、医療従事者の人たちに迷惑をかけてしまったという、辛い気持ちにもなった。

コロナは体力的にも精神的にもしんどい

コロナで何が辛かったかというと、自分が感染してしまい、家族にも会社にも迷惑をかけてしまったという罪悪感からくる精神的なものだった。

「今までは、コロナ感染の報道を見ると、遊んでいたんじゃないの?と、思う自分がいました。でも、気を付けて生活していても、感染してしまうんですね・・・。どうして自分がコロナに感染してしまったか考え、神様が私にきっとこれからは人に感染させてはいけない事を使命として、伝える事を選んでくれたのだと思いました。」