従業員の叫び
ひかるブラック企業テンポス

忖度無し。テンポスってこんな会社です。
どんな商品でも一生懸命売ろうとする!!!

年末の大掃除をしていると、馬の置物がでてきました。捨てようとすると、ちょっと待って!!と先輩から静止が入ります。

何ですが、この馬??

―先輩
20年以上前、テンポスの店長会議の日が苦痛だった。飲食店専門のリサイクル屋だったが、当時はいろんな商品が店に入って来た。バッタ品や、売れ残りのノベルティ品。
その中でも、一番困ったのは「馬の置物」だ!!!
その置物は全部革製でたいそう立派な置物だが、唯一残念な点としては置物が立たない・・・。立派な馬の体に対して脚が細過ぎるからだ。ただの寝転んでいる馬。

サイズは幅30㎝、高さ20㎝程で高級感があり、飲食店のカウンターにあればとても魅力的で店内の内装も映える。ただ、立たない・・・。当時テンポスの店に在庫として1千体以上はあったはず。森下社長がどこからか買い付けたと話しを聞いた。店長たちは「立たない置物」と知っていたが、そんな事を口にする者は無かった。

売れない理由を商品のせいにしたら怒られる

本来、販売価格は1体あたり2万~3万円する高価な置物。それをテンポスでは2,000円~3,000円で売ろうとした。90%OFFの超特価品だ。

店頭に置いて販売しても全く売れないから店長会議で「売上」「粗利」「レジ客数」「在庫回転率」の他に「馬の売れた数」を報告させられる。立たない事を理由にしようものなら社長にめちゃくちゃ怒られる。
社長「葛籠!!今月、馬が何体売れたか報告しろ!!!」
葛籠「2体です。」
社長「なんで2体しか売れないんだ!!どんな工夫をしたか言ってみろ!!」
葛籠「POPを書きました・・」
社長「ばかやろう!POP書いて置いただけじゃ売れないだろうがっっ!!今から2人1組になって。馬の売れるトーク練習をしろ!!

馬の置物のトーク練習を真面目にする大人たち

そこから店長皆でトーク練習。
・この馬の置物は2万円以上するんですよ。それを今回特別90%OFFで提供できます。
・この馬の置物をお店に置くと風水上金運があがります。商売繁盛ですよ!
・有名飲食店さんもこの置物を全店に導入するか検討中なんです。是非1体どうですか?
などなど。トーク練習は3ヶ月以上は続いただろうか。社長が審査員となり合格するまで会議は帰れない。

そのうち店長会議で怒られるのが嫌で店長達は皆工夫をしだした。レジの横に陳列する店長や、他の商品と一緒に提案する店長。店内の売り場に置いておくと立たずお客さんが買わない為、横の商品に寄りかからせたり、馬の脚に爪楊枝などの補強をいれて、あたかも立派に立っている馬の置物として販売する店長。

できないことは、ない!?

半年ほど経った頃。
社長「中薮!!今月、馬何体売れたか報告しろ!!!」
中薮「10体売りました!」
社長「おーーーお前の店すごいなぁーー!一体どんな売り方したんだ?」
中薮「来年の干支は馬年です。ここで馬の置物を準備して新しい年を迎えましょう。きっとこの干支の置物のお陰でお客様のお店に良い運気がやってきますよ!」
社長「中薮!お前はすごいよー。たいしたもんだ!!!お前ら!早速2人1組になって、来年の干支は馬年ですよトーク練習しろ!!」

そんなテンポスバスターズも今や年商190億円、経常利益24億円の規模に成長しましたとさ。

おとまる