ベンチャーテンポス2022年10月24日
【役員研修】グループ戦略<求められる事業開発力>
10月22日、2022年10月度の役員研修を行いました。
役員研修は、グループ会社11社の社長・幹部が集まり
「人格を高める」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。
午前は、新規事業計画の発表を行いました。
まずは、4人1組で、各自が考えてきた新規事業計画を発表し合い、
良いものを1つ選んでグループ発表を行いました。
グループ発表では、事業規模、競合他社に対する優位性、数値的な強みなど、参加者からの質問が飛び交いました。
この記事では事業開発について、代表 森下の考えをお伝え致します。
事業開発は、始めたら形になるまで繰り返しやりきる。当たることはないと考えよ。
―社長 森下
最初に会社を作ってから、8つくらい事業を始めたが全部失敗に終わった。
新規事業はやり始めてすぐ挫折するのが前提にある。それからどうするかが重要だ。
よく新規事業が当たって100億300億になったって話があるけど、これは万に一つ。
あたる事は無いと考えて始めなければならない。
事業開発は、形になるまでヘトヘトになるまで繰り返しやる。
仮に3人採用しても、そのうち2人はやめるよ。それでもやり続ける。
取材で、「何で成功したんですか」なんて聞かれるが、形になるまで繰り返し続けた結果としかいえない。
では、事業開発では、どんなビジネスを選ぶと良いか?
「自分の業界」
「自分の組織」
「自分の組織のノウハウ」
これらを活用できる新規事業を選ぶこと。
グループワーク <なぜ飲食店は閉店するのか>
なぜ次から次へと飲食店が潰れるのか?
それぞれのチームで討論して発表してください。
(ここからワーク開始)
チームA 「参入障壁が低い。真面目に一生懸命やっているが、将来の計画を考えていない。」
チームB 「計画が無くオープン。同業態との差別化がされていない。」
(森下)「他人事で、討論するのならどうとでも言えるぞ。」
チームC 「調理は好きだが、経営は好きではない。」
チームD 「他店との比較が無く、自店の売上のみを見ている。敵が迫っていることも気づいていない。」
(森下)「100年企業に持っていく為に、自分に置き換えて考えろよ。」
チームE 「大きく市場とお客さんと自身の事がわかっていないから。まず、市場に関しては・・・客に関しては・・・自身については・・・」
(森下)「おいおい、そんなこと言ってたら、飲食店は全部潰れちゃうんじゃないの?
飲食店が生きながらえるのに今言ったようなそんなにたいそうな事か?長すぎてみんなシラケちゃうよ。わかった次」
チームF 「自分がしたい事をしがち。結果、お客様のあった商品・サービスを提供していないこと」
(森下)
いろいろ意見が出たが、こうした方がいいなんていうのは誰でも思いつく。
でも、思いついた時にすぐにやるか、やらないかが成功の分かれ道だ。
『すぐにやる人』は『働き者』と同義語。ごちゃごちゃ言っている奴は『怠け者』だよ。
「窮鼠猫を噛む」という言葉があるが、実際にはネズミが猫を噛む事はない。
「背水の陣を敷く」という言葉があるが、実際には切羽詰まったからといって力が数倍になる訳ではない。
ここで言いたいのは、飲食店は自己資金だけで開業しようが、1000万円借金して覚悟を決めて開業しようが
閉店に追い込まれたとき、実際にはやらない人は何もやらないということだ。
つまり、なぜ飲食店が閉店するかの答えは、
『打つ手がわかっていても、やらない人達がやっているから潰れる』だ。
グループ戦略 <100年企業になるには>
我々テンポスは、これから「外食でのトップ企業集団、グループ会社それぞれで専門家集団」を作ろうとしている。
専門家の一つの基準は、上場してなくても100億くらいやっているかどうか。
専門化集団になっていれば、ホシザキとガップリ四つで組んでも負けない。
専門家集団になって1000億企業を目指す。
一方で、1000億企業になる為には、外食から離れる準備を並行してやらないといけない。
これからの10か年計画は、専門家集団になるためには余計な事を考えていてはダメ。
もう一方では、外食からどれだけ離れられるか手を打っていかないといけない。
何で飲食店が閉店するかって話に戻るけど、
こうしたら良いという事を、わかっていてもやらないってことは、
わかっていても変化に対応できないということだ。
例えば、最近、客が減って来た、向こうにショッピングセンターができて客が取られている。
じゃあ、客集めをしようだとか、業態を変えようか、って思いついてもやりはしない。
とにかく思いついてもやらないだけ。
でもこれは、人間の脳が分かっていてもやらないからだ。
なぜやらないのか <遺伝子レベルでそうなっているから>
我々の体の中には、
数千年前から、「親や先祖に、言われたことをきちんとした人間が生き残る」と教えられ続けてきた。
だから自分たちの脳は、言われたことをきちんとやるという脳になっている。
我々がまだ猿のような生活をしていたころは、
- 夏のうちに冬の食料も貯めておくこと
- 自分より強い動物に遭遇したら逃げること
こういう教えを言ったとおりに守らないと死んでしまう世界だった。
だから我々の脳は何千万年もの間で「言われた通りにやりなさいよ」ってうえつけられている。
しかし、産業革命で社会は一変した。
猿時代から何千年もの間、競争しなくても生きてこれた人間が、
いきなり「はい、産業革命が起きました。これから市場競争で勝つために頑張れよ!」と言われたんだ。
産業革命から現代までたった数百年しかたっていない。
だから「工夫改善しなさいよ」と言われてもすぐには変われないんだよ。
だから、類人猿のお前らに、
「市場競争になったんだから、工夫改善しないといけませんよ。」って教えている俺の辛さを理解してもらいたい。
自分たちの部下に「工夫改善しなさい。」といくら言ってもやらない時は
「これは、人間らしいなぁ」って思うしかないな。
でも、その中に極少数の「工夫改善する奴」がいる。
市場競争の中でやっていくには、変化を嫌う人達を普通に使いながら、
その人達と一緒に工夫改善をしていけばいい。
それに中小企業なら「俺がやる」っていう社長が一人いればやっていける。
強い会社は、そういう少数の工夫改善する人がいて成り立っている。
ところが、数人しかいない飲食店だったらどうだろう。
3人~5人しかいない飲食店で、自分が親玉だったとしたら指令が飛んでこないじゃないか。
そうすると、普通の人達ばっかりだから、工夫改善しなきゃいけないって事を分かっていてもできない。
自分は「古い人間の体質」なのか「変化に対応できる人間」なのかを見極めて、
尚且つ、自分の部下の中に「変化に対応できる奴」を見つける。
今まで通りにやりたいという従業員には、ちょっとずつ重い荷物を背負わせる。
これを繰り返して、スペシャリスト集団企業に仕上げていく。
さらに経営面では外食以外の新たな事業を作り上げる。これらを通して1000億企業を目指す。
おわり!