お知らせ2018年1月30日

俺流セミナーin浜松レポート

1月24日(水)静岡県浜松市にて、第23回俺流セミナーを開催しました。ゲスト講師は、静岡県を中心に飲食店を展開する、株式会社こころの代表取締役、渡邉一博氏。そして弊社の代表取締役、森下篤史が講演をさせて頂きました。今回は、講演の内容をご紹介いたします。

第23回俺流セミナー

一部:あさくまのV時回復の裏側とドクターテンポスとしての決意

―森下篤史
あさくまでは「泣けるあさくま」というテーマでこんなことをしています。
(従業員)まさお君、お母さんの誕生日にステーキを焼いてみないかい?
(まさお君)やってみたい!
(従業員)よし!とびっきり美味しいステーキを焼こうね。ところで、お母さん、当日ちょっとした仕掛けがありますので、まさお君に手伝ってもらわないといけません。まさお君を厨房に連れて行っても良いですか?

このような声掛けをした後、まさお君には、お母さんへの手紙を書いてもらいます。そして、お母さんの誕生日当日に、手紙を読んでもらっているのです。
まさお君から手紙を読んでもらうわけですから、お母さんはとても喜んでくれます。しかし、私達が目指しているのは「泣けるあさくま」です。喜び以上の感動をお客様に感じて頂きたいのです。

第23回俺流セミナー

そこで必要なのは、従業員のエンターテイナーとしての立ち振る舞いです。結婚式の司会のように、新郎・新婦がウルウルしそうな会場の空気作りをしなければなりませんあさくまで言えば、子供がお母さんに手紙を読む前の、従業員のナレーションが大事なのです。しかし、それがまだ出来ていません。お子様にステーキを焼いてもらう“グリル体験”だけなら既に3,000組ほど実施してきました。しかし、他社を追随させない差をつけるには、「泣かせるあさくま」でないと面白くないのです。まだまだ発展途上、やらなければならないことは山積みです。あさくまの社長、横田が中心となり、「泣けるあさくま」としてのエンターテイメントレストランに力を注いでいます。

第23回俺流セミナー

株式会社テンポスホールディングス 代表取締役社長 森下篤史

閉店する時に後悔する25のこと

先日、テンポスの従業員が「閉店する時に後悔すること」を飲食店様からお話を聞いて集めました。その中で多かったのは、「従業員のワガママをそのままにしておいた」「小さな不正に目をつむっていた」、この2つです。4~5人のスタッフで運営しているお店にとって、人材不足は枯渇問題。ワガママや不正が良くないと分かってはいても、簡単に、スタッフを辞めさせることはできません。しかし、この2つを改善しなければ、いつまでも店は安定せず、後から入ってくる人材の定着もないのです。だからこそ、腹を決めてその従業員に辞めてもらわないといけません。1年間くらいは大変ですよ。24時間フル稼働になることもあるでしょう。ですが、それを避けている限り、店は立ち直っていかないのです。

ドクターテンポスとしての決意

テンポスは年間72万人の飲食店様にご利用頂いています。どんな会社においても、お客様に来ていただけるという事は、本当にありがたいことです。一方で、後継ぎがいない、業績が良くない等の様々な理由から閉店される方々からのご相談も、買取を行う弊社には多数ご相談を寄せられます。

これまで、テンポスは「大手の荒波を受ける中小飲食店の防波堤となり飲食店を総合的に支援する」を掲げまいりましたが、今後はその方針を変えます。統計上、現在の飲食店の5年間の生存率は45%です。それを90%にするような飲食店を総合的に支援していきます。 具体的には、テンポスが飲食店の主治医・専門医となり、検診・治療を行うドクターテンポスを拡大させていきます。3~5年かけて社員をドクターに育てていきます。

二部:外食×IT 、自社の強みとは何か

第23回俺流セミナー

株式会社こころ 代表取締役 渡邉一博氏

―渡邉一博氏
現在、外食事業では7ブランド展開しています。主力は“居酒屋 てんくう”です。この業態を立ち上げる際は、徹底的にスタイリッシュな店創りにこだわりました。一方で客単価は3,000円前後とリーズナブルに、ロードサイドで100坪前後の大箱を中心に出店することで飲食業の2大コスト、原価費と人件費を抑え、収益性の高い業態を目指して運営してまいりました。この形で足元を固めたのちに、主要都市駅前に展開していくこととなります。

飲食業は、ただ単に味が美味しいだけでは生き残れません。美味しいだけならコンビニでも十分です、料理に+して楽しいことを体感できる空間だからこそ飲食店が必要とされるのだと考えます。

競合店に勝つには、差別化しかありません。私はローカルチェーンとして、大手・個人店、それぞれとの差別化とは何かを意識してきました。大手よりも地域の個性に溢れた店でありながら、自社で本部機能を持つことで、企画力・購買力という点で個人店との差別化に取り組みました。ここ一年くらいは、野菜を使ったメニューに力を入れています。メニューブックには野菜の生産現場を見える化する等の魅せ方を工夫することはもちろん、(株)こころ専門の野菜の物流を確立することで、同一発注、同一納品が出来る形を作り上げました。

さらに、他店との差別化において、“IT”を使った取り組みを行っています。もともと独立前は、外資系のIT企業に勤め、エンジニア・セールスの両方の経験がありました。そこで、ただ単に料理を提供するのではなく、お客様にQRコードを読み込んでもらい、動画の野菜紹介や、VAカメラ(360度の空間を撮影できるカメラ)を使って生産現場を撮影し、お客様にご紹介するなど、お客様の“楽しい”を引き出す取り組みを行っています。

「野菜」の仕入れルートが確立することで、居酒屋だけではなく、地場野菜、スーパーフードなどオーガニックに特化したカフェブランドを展開することもできました。

開業・廃業が高い飲食業界という中で、何かに特化することは重要です。私の場合は、ITに強く、「外食×IT」という強みのもと展開してまいりましたが、今後も、さらに外食事業と共に、IT事業の拡大を目指していく考えです。