2024年6月28日

「業務委託ビジネス」と「経営コンサルティング」の二本柱で成長を加速

6月15日、2024年6月度の役員研修を行いました。 役員研修は、グループ会社の幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。

成長戦略の柱は「業務委託ビジネス」と「経営コンサルティング」

今回は、テンポスの成長戦略についてお伝えします。

―森下社長
日経新聞でテンポスの記事が大きく取り上げられたが、これは中古厨房業界でテンポスが断トツのトップ企業だからだ。ニッチな業界でNO.1というところに投資家が注目している。しかし、このNO.1に甘んじることなく、さらに圧倒的1位を目指して、テンポスバスターズ店舗の出店を加速させていく。今は出店して1~2か月で黒字化しているが、仮に黒字化に半年くらいかかる店舗が出てきたら、市場が飽和し始めた合図と言えるだろう。継続して成長していくためには、市場が飽和する前に売り方(ビジネス)を変えなければならない。その柱となるのが「業務委託ビジネス」と「経営コンサルティング」の二つだ。

1)業務委託ビジネス

テンポスには毎月200件以上の閉店による買い取り依頼がある。閉店する店が200店あるということは、200人の就職先を探しているオーナーがいるということだ。しかし、200人全員に聞き込みをすると、半数の100名は「チャンスがあるならまた店を出したい」と考えている人達だった。そこで、閉店する物件をテンポスが借りて、その物件にまた店を出したい元オーナーを業務委託の店長として送り込む。しかし、一度は店を潰したオーナーだ。送り込む前にテンポス流のトレーニングをしっかり受けさせて、店舗運営のノウハウを身に付けさせる。そして、業務委託の店長として働いてもらいながら、利益が出せるようになったら、希望があればその店長に店舗を売却する。利益が出るかどうか分からない新店舗を自分で一から立ち上げるより、利益が出ることが分かっている店舗を買う方が店長にとってもメリットが大きい。例えば毎月40万円、年間で500万円の利益が出ている店舗があれば、4年分の利益の2000万円に、テンポスが店を作るのにかけた投資金額を加えて売却する。店長が店舗を買い取るために必要な資金は、テンポスが連帯保証人になることで銀行から融資を受けられるようにする。毎月、業務委託で100店舗、年間で1000店舗を出店するとして、その中の優秀な上位10%の店長100人に売却したら、約20~30億円の売却益となる。

また、業務委託の店長を送り込み先は、テンポスがM&Aで買収した企業も対象になる。例えば5億円で買収した赤字企業の店舗にテンポスでトレーニングを積んだ業務委託店舗の店長を数十人送り込み、現場を改革させる。通常なら再生に5年かかるところを、テンポスのM&A再生は、買収先に経営層だけでなく、トレーニングを積んだ店長クラスの人員を一気に送りこむことで、1~2年で早期に黒字化させることができる。5億で買収し15億円で売却すれば10億円の売却益が出る。再生に貢献した優秀な成績の店長にはインセンティブを与えて独立をサポートする。

2)経営コンサルティング

今年の4月から「経営コンサルティング」サービスを開始した。「業務委託ビジネス」が閉店したオーナー向けの支援であるのに対して、「経営コンサルティング」はこれから開業する人や、開業後のオーナーの経営をサポートするものだ。
新店オープン時は資金調達や物件探し、内装工事など、飲食店オーナーは様々なことに頭を悩ませる。テンポスは、新店オープンするお客様に対して、物件を紹介したり、内装工事を請け負う等、新店オープンのサポートを行ってきた。この狙いは、お客様と開業準備の早い段階から接点を持つことで、厨房機器一式の受注を獲得し、現状25万円の客単価を200万円にアップすることにある。そのために、パート社員含む従業員250名に毎週5時間、年間240時間かけて研修もしてきた。しかし物件を紹介しても内見に繋がるのはたった3%しかない。まったく上手くいっていない。先日、幹部社員に大手外食企業について話をしたのだが、幹部はその企業を「知らない」という。飲食店を応援しようという会社の幹部が、だよ。つまり、我々は飲食店に冷蔵庫や製氷機を売ってはいるが、外食産業のことをまるで分かっていないということだ。こんな状態ではオーナーの相談相手にはなれないし、いくら物件を紹介したところで、話を聞いてもらえるはずもない。
そこで、販売員を毎月5店舗の飲食店に行かせて、接客や料理、店の清潔さをチェックする「格付診断」を行わせる。「格付診断」とは、当社が運営するインバウンド向けB級グルメサイト「テンポススター」に掲載するお店を、ミシュランが格付するように、テンポスが飲食店をチェックし格付をしたうえで、その評価を「テンポススター」に掲載するというものだ。しかし単に格付診断をして終わるのではもったいない。格付診断の結果から、飲食店の経営課題を抽出し、経営コンサルティングを行っていく。そのためにも、販売員には格付診断のトレーニングを受けさせる。実際に毎月5店舗の格付診断を行っていくと、いろんな飲食店を比較するため、店の良いところ、悪いところが分かるようになってくる。飲食店を見る目が養われて、ようやく飲食店オーナーから話を聞いてもらえるようになる。
初めのうちは知識もなくあまりオーナーの役に立てないかもしれないが、半年も経てば30店舗を比較した経験で、オーナーが驚くくらい役に立つ情報を提供できるようになっているはずだ。そういう関係になれば、こちらの話を真剣に聞くようになり、物件を案内したら内見する数も増え、物件も成約するようになる。このようにして、不動産から入り込んで、その先の内装工事、厨房機器の受注へとつなげていくことができる。

社員の資産形成も面倒を見る!「115作戦」とは

最後に社長から、「115作戦」についての話がありました。「115作戦」とは
・10年で
・1000人の社員に
・5000万円の金融資産を持たせる
この3つの最初の数字をとり名付けた「115作戦」は、従業員の資産形成を応援するというものです。
さて、「115作戦」に入るためには条件があります。
・持株会に入っている
・テンポス道場を卒業している
・50時間の日本人教育を受けている
この三つを満たした“テンポスと一緒に未来を語る姿勢がある人”の資産形成をサポートしていきます。この条件に入れない人も、テンポスで働く以上は世間以上の給与にしていきますし、会社が成長すればその額も増やしていきますが、115作戦に乗る社員との差は開いていきます。
115作戦に乗るか乗らないかは、社員自らが決めることです。
1000人に5000万円の金融資産を持たせるためには500億円が必要です。そのためには業績を伸ばしていく必要があります。社長は本気で目指すと言っています。115作戦に参加したいみなさん、一緒に工夫改善して5000億企業を目指しましょう!

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