2023年02月14日
後継者問題をどう乗り越える。人事制度「社長の椅子争奪戦」とは?
東京商工リサーチ調査によると2023年1月の後継者不足による倒産数は前年同月比12.5%増加しているというデータが発表されました。
テンポスグループも同様に、後継者育成は喫緊の課題であります。
テンポスは、業界の異端児と呼ばれている創業社長の森下篤史と、鍵をあけなさすぎて錆びさせてしまう金庫番の森下和光(社長の弟)、この2人でテンポスを財務安泰・中古厨房業界で圧倒的1位の会社を作り上げてきました。そんな社長たちも70歳を超えました。この数年間は次世代の経営者を育てるべく、幹部育成に注力しています。
で、その育った幹部の中から誰を社長に抜擢していくか。
その決め方の一つに「社長の椅子争奪戦」があります。
2022年11月に「株式会社テンポスバスターズ」の社長を決める「第5回 社長の椅子争奪戦」がスタートしました。
社長の椅子争奪戦とは?
見出し3テスト
テンポスは「自分の人生、自分で決める」の考えのもと、役職者立候補制度を導入しています。その最たる制度が「社長の椅子争奪戦」です。4年に一度、社長の座をかけて立候補者が仕事の成果という点で戦い、その結果と投票をもとに社長を決定します。
立候補者たちは、定められた期間の中で①自部署での実績、②設定したゴールに対する成果をどれだけあげたか等が評価されます。その目標の中には、新規事業の立ち上げの目標や、テンポスグループの成長戦略に絡めたものが多いため、社長の椅子争奪戦の火花が散れば散るほど、それらの事業の成長スピードが加速していくというわけです。テンポスバスターズは年商300億グループの中核会社であり、バスターズの施策がグループ会社に与える影響は大きいです。その重要なポジションを立候補者の中から争奪戦により決めるのです。
社長の椅子争奪戦が始まったきっかけ
「社長は良いですよね。ずっと社長なんだから(社員Y男)」
「それなら勝負だ(森下社長)」
と、社長の森下とエリアマネージャー7名で社長の椅子争奪戦が始まったのは2003年のことです。2003年はまだ創業6年目で、この頃から社長を争奪戦で決めるという、おったまげたことをしてきたのがテンポスでした。その後は4年に1度の頻度で、社長の椅子争奪戦を開催しています。自分から「社長を実力で決めよう」なんていう社長、他にいませんよね?
今回の「第5回社長の椅子争奪戦」では、テンポスバスターズの現社長、森下篤史は立候補しておりません。次世代にバトンを繋ぐためです。(テンポスホールディングスの代表は森下が引き続き務めます)
この5年間は幹部育成に力を注いできました。2017年からは役員研修を開始し「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から毎月1回、実践的な研修を行ってきました。2019年には「ビリオンクラブ」を発足し、グループ会社の社長や幹部を対象に、営業、人事、管理の側面から組織を作り上げていくために、様々な課題を与えてきました。今回の社長の椅子争奪戦の立候補者も、これらの研修に参加してきました。
ちなみに森下は「一生、現役」と公言しており、遠い将来、テンポスホールディングスの代表を降りるときがきたとしても、次はテンポス以外のところで事業を始めて社長をやるのだ!と、ワクワクした顔で話しています。
新社長に求めること
今回の立候補者は4名です。立候補届出順に紹介します。グループ会社のディースパークの社長の伊藤、テンポスバスターズの営業本部部長の遠山、メンテナンス部部長の浅井、東日本営業部長の井上の4名です。
浅井は入社1年3カ月、井上は入社3カ月での立候補です。これに対して森下は「会社の隅々まで知らない、入社間もない幹部社員が立候補し、社長就任後の戦略を語っている。はちゃめちゃだよな。しかし、このはちゃめちゃさが、ものすごく大事だと思っている。テンポスの社長の仕事は75%はきちんと利益をだすこと。残りは、いろんなところに首をつっこんで、前向きな投資をすること。新社長は、失敗を恐れずに、新規事業をやっていく。そういう会社を作っていって欲しい」と立候補者にエールを送りました。
立候補者4名の戦略や詳細は追ってご紹介します。
立候補者の現役職
・伊藤 航太 社長
ディースパーク取締役 社長、テンポスホールディングス取締役人事総務部人材事業部 部長、テンポジンパーソナルエージェント取締役
・遠山 貴史 部長
テンポスホールディングス取締役、テンポスバスターズ取締役営業本部 部長
・浅井 明 部長
ウエスト厨機 取締役社長、テンポスバスターズメンテナンス部 部長
・井上 敏彦 部長
テンポスバスターズ取締役東日本営業部 部長