2023年02月14日
【役員研修】グループ戦略<イノベーションと企業家精神を学ぶ>
2月11日は、2023年2月の役員研修が実施されました。
役員研修は、グループ会社11社の社長・幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行なっています。今回も新たにぐるなび出向の二名が加わり、研修参加者は30名を超えるほどになりました。
今月の研修では、
午前は、社長の森下によるグループ戦略発表と、予算設定
午後は、グループワーク「イノベーションと企業家精神」
最後は、コンパ形式のグループ・ディスカッションが行われました。
今回は、グループワークについて触れさせて頂こうと思います。ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」の内容を、グループ各社のビジネスでの出来事や課題に置き換えて、グループで意見交換しながら良い答えを導き出します。司会進行は、持ち回りで行なっていますが、今回は、あさくま社長の廣田が務めました。まずは、「会社・グループ・業界の中で起こっている変化を、どのように捉えて動いたのか」をグループで話し合う事になりましたが、グループワークの前に、社長の森下から話がありました。
―社長 森下より
企業を継続させる為には、人をどう使うかという「マネジメント」と、どんな仕事をするかという「イノベーション」という観点がある。イノベーションはできている人にもタイプがあって、例えば、ターゲットではない顧客から受注したとき、それを「予期せぬ成功」と捉えて新しい手を打つ人もいれば、とにかく業界の動きにアンテナを張って、それをニーズの変化と捉えて手を打つタイプの人もいる。
人によって観点の違いはあるけれど、こういったイノベーションの考え方が身についている人は、常に改革しようっていうモノの見方が癖になっている。これに関しては慣れだから、今はできていなくても、とにかく「何でも変えてみよう」っていう考えることをトレーニングだと思って繰り返して行っていくこと。イノベーションは、ゼロから一を生み出すようなものではなく、身近のちょっとした変化から気づいてチャンスと捉えることができる。
テンポスでは、その人にとっての仕事上の限界を「いてての位置」って呼んでいるけど、今までは“いてて”のレベルとは限界を超えるくらいの難しい事だと伝えていた。でも「いてて」って感じた時が、既に限界なんだから、実はそれほど大げさなものじゃないと気づいた。
例えば、体重が維持できている人の体重を増やそうとした時にどうすれば良いか。毎日1個小カップのアイスクリームを食べさせたら10日で700グラム、1カ月で2.8キロ、簡単に増やせる。同じように体重を減らすなら毎日アイスクリーム一個分の運動を続ければいいだけだ。小カップのアイスクリーム1個分は250キロカロリーなので、1時間早足で歩く程度だ。ごはんだったら250キロカロリー分の一品を無くす程度でよい。これを1カ月続ければ、2.8キロ痩せることができる。これを「いてての法則のアイスクリーム編」という事にした。これは、スポーツクラブに通ったりして努力するほどの事じゃない。簡単な事を毎日続けていればいいだけの事。
さらに飲食店に置き換えてみる。赤字と黒字を行ったり来たりしているが一定の売上を維持している店があったとする。「アイスクリームの法則」で考えるなら、何をしたらいいか?
飲食店にとってアイスクリーム一個なんだから、「いらっしゃいませ!!」って明るく大きな声で挨拶をするだけの事だよ。これを毎日続ければプラスになるに決まっている。
イノベーションについても同じ事、そんなに大げさなことを言っている訳ではない。
これがいいなぁと思った事を、毎日続けていれば必ず変化が出る。
では、自分たちの仕事の中の変化とチャンスは何か。グループワークして発表してくれ。
Bグループ)
「海外メーカーの厨房機器の品質は上がってきており、さらに価格が安くなってきている。日本の厨房機器メーカーは、これに対応できていない。これをチャンスと捉えて、品質を保持したままで低価格のPB商品を開発したい。」
森下社長)
「ポスター、HP制作を無料でも受け取らないお客様もいた。安けりゃいいだけでない事も頭に入れながらPB商品を考えるようにして欲しい。」
続いて、過去の「予期せぬ成功」を挙げ出して、どのように捉えていたらチャンスとして取り組めたのか、また、今後していくかをグループでディスカッションしました。
最後に社長の森下よりまとめの話がありました。
―社長 森下より
これは「アイスクリームの法則」のように、ちょっとした変化の場合とは違う話になるけれど、
「予想外」の売れ行きがあった時、「予想外」に売れ行きが悪かった時、
この「予想外」を変化と捉えた時は「マス」という考え方で動く必要がある。
ドラッカーは、新規事業は有能な人材に、時間とお金をかけて、見極めるまでやらせろという。既存事業と兼任させていては、新規事業にエネルギーを半分使えと言っても、利益にならないので1割しか使わないからだ。これはいけると思ったら、専任でやらせなくてはいけない。
テンポスで予想外の成功から一気に動いた例でいうと、
一つは新卒採用かな。中古厨房屋で働きたい新卒なんていないと思っていたけど、上手くやれば採れること分かったら、ガンガン求人を出して採用できた。他にも、創業当初は店舗で中古だけを売っていたら、お客さんから「新品が無いと開業できないよ」って声が上がってきたから、メーカーに協力してもらって、1年間、試しに置いてもらったら予想外に売れ行きが良かったので一気に新品を増やした。今では新品売上が75%だ。単なるリサイクル屋ではここまで大きくならなかったと思う。出店に関しても、島の中に出したことがあったけど、お客さんは自転車で店に行けない。車でしか行けないのにお客さんが来てくれていた。この予期せぬ成功で立地が関係ないとハッキリ分かった。ここでもっと出店スピードを上げていれば良かったっていうのが反省だな。
こういう風にして、「予期せぬ成功」「予期せぬ失敗」「時代の変化」から手を打つ時には、成功すると思ったら一気にやる事が重要になる。
これからドラッカーをやる上で、いろんなチャンスを捉える練習を繰り返しやって欲しい。
自分がこの一カ月間で何をチャンスと捉えて、どんな手を打ったかは、しょっちゅう聞くので、よろしく。
(広報担当:山崎佳人)