全社員へ2024年06月25日

金を盗んだ社員のその後

テンポスに於ける「杜子春」

芥川龍之介 杜子春

大金持ちの杜子春が身を持ち崩して、

住むところもなく死んだ方が良いと、途方に暮れている。そこへ仙人の鉄冠子がきて、

一夜にして、洛陽の町1番の金持ちにしてくれた。

有りとあらゆる贅沢をして3年で、破産した。

あれ程言い寄ってきた人の中に誰も一夜の宿も提供する者がない。

三年前と同じ場所で、途方に暮れていると又鉄冠子がきて、金持ちにしてくれた。

愚かな杜子春は同じように3年で破産したが、又金持ちにもしてやると言われたが、

もう鉄冠子のいう金持ちにはなりたくない。

人は金に釣られて集まって来るが、本当は薄情な者だ。

貴方のような「仙人」になりたい。

「弟子にしてやるが、修行をしなければ仙人にはなれない。

わしはやる事があって居なくなるが、その間この岩壁の前に座っていろ。

何があっても、話すは愚か声ひとつ出してはならぬ」と言い残して消えた。

大蛇が来ても虎に脅かされても、唇を噛んでじっと耐えていた。

化け物が来て、身体を八つ裂きにされて、

気を失わんばかりの痛さにも耐えて声を出さなかった。

遂に身体はバラバラになって死んでしまったが、ものは言わない。

地獄に落とされて、お前は何をしたのだ、何故ここに落ちてきたのだ。

閻魔大王に怒鳴られて、怯えまくって、頭を上げられない。

強情な奴だと、火にあぶられ、針の山で突き刺され何をされても答えない、

鬼がお手上げですと言うと大王が、

こいつは人間の愛のない地獄に落とされているといって、

2匹の馬を引き連れてきた獣になってしまった父母である。

あっと驚いたが声は出してない。

鬼が、命令通り馬を槍で突いて、斧で切ってもはや、嘶くこともできなくなった。

息絶え絶えの中から母が、薄目を開けて

「杜子春、あんたはきっと何かの約束があって口を聞かないだろう、分かってるよ。

大王様、私の命は惜しみません、どうか杜子春を助けてください」

死ぬ直接になっても我が子のことを思ってくれる親を見て、

泣きながら駆け寄って「お母さん!」と言った途端に、岩壁の前に戻っていた。

鉄冠子が「お前、仙人になるのはやめたのか?」

杜子春は「金持ちにも、仙人にもなりません。貧乏でも、正直な人間になります」

俺は学生時代、電車はタダ乗り、スーパーにバイトで行けば商品を盗んでくる、

本の万引きはしょっちゅうしてた。

勤め人になってからは、人の目をかすめて金を作るよりも、

努力して獲得する方が面白くなった。

運良く上場会社を2社持つようになり、大勢の人を使うようになると、

従業員の中には、社会人になっても未だ盗んだり横領する奴が13人いた。

即解雇その上で、警察の世話になるか、恥を忍んで、

パートとしてやり直すか選択させた

現在1人はエリアマネージャーをやっている、

店長になった者1人

店長になって又横領して、警察の世話になっている者1人

普通にやってる人4人

2~3年で辞めたもの5人

最初から逃げて行方不明になってる者1人

この野郎!と思った事はない。

未だ抜け出せなくて、コイツら可哀想だなぁとか、

抜け出したくているのに大変だなぁとしか思わない。

現実世界では、杜子春は殆どいない。

森下 篤史