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ドタキャン・バックレを防ぐための接客の技について聞いてみました(その3)

2016年09月23日


飲食店さんを悩ます、ドタキャンや無断キャンセル。
今回は、今までに1000人の飲食店スタッフの指導をしてきた伊藤愛子さんに、ドタキャン・バックレを防ぐための接客の技について聞いてみました。

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●宴会20名の予約をドタキャンされて、材料費がパーに。本当にひどい!キャンセル料をもらわないと、気が済まないですよね・・・!!

そうね、でも私はキャンセル料はもらわないよ。キャンセルってどうしても発生しちゃうもの。「キャンセル料くれー!」って言ったところで、お客さん逃げちゃうでしょ。


え、でもそれだと飲食店だけが損して不公平じゃないですか!

ちがうの、そもそもドタキャンが起こらないようにしないとダメ。まずは、電話の接客力があげること。私から言わせると、ほとんどの飲食店さんの電話接客が業務的すぎるんですよ。


でも、電話の接客力上げるって簡単に言いますがどうすればいいんですか。(泣)

多くの飲食店は、宴会の電話予約を受けた時、「お日にちは?」「何時から?」「何名様で?」「コースは?」でしょ。頭の中は「20名で4000円のコースだから・・・・これで今月予算達成だぜ!!」って、数字のことなんか考えながら予約電話を受けてしまう。(店長はとくにだよね)でも、本当に「いい時間を過ごしてほしい」という気持ちがあるのなら、「どんな会なんですか?」「どんな宴会にしたいですか?」「料理の好き嫌いはありませんか?」など、知りたいはず。お客様がキャンセルを軽視しがちなのは、実は私達が業務的な態度をとっているからなのよ。


キャンセル料はもらっていないにしても、予約を受け付ける時にキャンセル料がかかりますとかは言いますか?

接客も恋愛と同じ。「僕と付き合おう」って言って、「じゃあ、契約書を・・・」なんてありえないですよね(別れるかも、というのは大前提で付き合うのに)。キャンセルもそれは一緒。予約を受ける時に、「キャンセル料もらいますよ」というのは、「今から付き合うんだけど別れたくなったら言って、3日前までに。」「別れたらどうなるか覚悟してるよね?まじやばいから」と言ってるのと同じ。


確かにそんな男(女)、こちらから願い下げですね(笑)

つまり、キャンセル料うんぬんの前に、電話でどれだけお客様に「このお店に行きたい」と期待を持たせるかが、スタッフがやるべきこと。それは、質問だけではなくて、声のトーンや言葉遣いもとても大切よね。だから、予約を受ける時に「キャンセル料が・・・」という話はいっさい私はしないです。
でも、キャンセルや人数の変更の「期日」はお店として、しっかり伝えないといけません。例えば、「人数が減る場合は、申し訳ないですが3日前にはご連絡ください」「前日に確認のご連絡をさせて頂いてもよろしいでしょうか。」などは必ずしていますね。


実際にキャンセルを電話で受けた時は、どんな対応をすればいいんですか?

ポイントは素直に受け止めること。ごねてもしょうがありません。彼女と別れる時に、「嫌だ―別れたくないー。なんで?どうして?他の女のとこにいくんでしょ、別れるならプレゼントした物全部返せ―」と言っていることと同じです。
反対に、「かしこまりましたー。キャンセルですね」とあっさり引いてしまうのも良くないですね。


確かに、別れた後も仲の良いカップルって羨ましいです

キャンセルを受けた時も、また来たいなと思わせるかが大切。理由は聞くけど潔く。そして次のご来店を促す言葉です。もちろん声のトーンとか、プラスアルファの言葉は大切ですけどね。


接客は恋愛と似ていますね!

そうですね。若いスタッフさんに教える時も、恋愛で例えてあなたならどうする?と聞いて一緒に考えるのも良いですよね。


ありがとうございました!


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プロフィール
伊藤愛子
接客セミナー講師
(株)APカンパニー塚田農場にアルバイトとして勤務
新店舗の教育担当として全国50店舗を担当。接客トレーニングしたスタッフは1000名
日本初のニューハーフサーバーとして第10回S1サーバーグランプリ全国大会準優勝
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