お知らせ2017年11月27日

俺流セミナー名古屋開催レポート「人材教育と地域密着の愛される店づくり」

俺流セミナー名古屋開催レポート「人材教育と地域密着の愛される店づくり」

11月22日、「第22回俺流セミナー」を開催しました。本セミナーは、テンポスと飲食企業様がタッグを組み、日本全国で開催している飲食経営者向けのセミナーです。

第一部は弊社、森下の講演、第二部のゲスト講師は、居酒屋大サーカスの代表理事でもある、有限会社いっとくの山根浩揮社長です。飲食経営における、人材教育や地域密着型の多店舗展開についてお話いただきました。

第一部:成功する人としない人の分かれ道

―森下
70歳になり分かってきたことがあります。
それは、成功する人、そうでない人の別れ道です。

皆さんは、チンパンジーが何回練習をすれば、「じゃんけん」が出来るようになると思いますか?100回?1,000回ですか?京都大学霊長類研究所によると、1日140回を100日間、計14,000回だそうです。これだけ練習してやっと出来るようになるのですから、900や1,000回程度の中途半端な練習量では、この先出来るようになるか、出来ないのか、その判断すらもつかない、ということが分かります。

株式会社テンポスホールディングス 代表取締役社長 森下篤史(株式会社あさくま 前社長)

株式会社テンポスホールディングス 代表取締役社長 森下篤史
(株式会社あさくま 前社長)

あさくまの創業は昭和35年、全盛期は120店舗まで拡大させました。日常の世界からとび抜けた空間を作ろうと、1店舗に2億円をかけて、その時代に皆を驚かせて店を繁盛させていったのです。ところが、年商180憶をピークに業績は下がり続け、店は120店から30店に、13年間で90店舗が閉店しました。しかし、その間に遊んでいた従業員は一人もいません。真面目に一生懸命働いました。ただ、お客様の好みの変化に対応できなかったのです。

飲食店はお客様の嗜好に合わせて、店は作り変えていかなければ、店は潰れてしまいます。しかし、上手くいくことはそう多くありません。大抵の人は中途半端な取り組みだけで、無理だと判断してしまいます。一方で、情熱がある人は、変化するために、何度もチャレンジすることが苦だとも思いません。つまり、飲食経営において大事なことは、今の現状を打開したい、売上げを上げたいなら、徹底的にやるということです。中途半端にやってその取り組みを良いか悪いかを判断してはいけないということです。 あさくまも30店から今は61店舗、100億円突破が目前となってきました。

第二部:山根浩揮氏 愛される地域密着型経営とは

―山根氏
広島県尾道市で飲食店をスタートして20年が経ちました。
1店舗目は22歳の時です。1階が鉄板居酒屋、2階が古着屋でした。来店客はゼロ、最初は苦しいことばかりでした。人間関係も悪化、店の雰囲気は最悪でした。

また、こんなこともありました。入店したお客様が、私の顔を見た途端帰られるんです。それも、1組や2組ではありません。「いらっしゃいませ」、元気に出迎えて一生懸命やっているのにです。その時に、人生で初めてブランディングについて考えました。これまでの服装や振る舞い、話し方を変えて、貫録がある“キャラクター”を目指したのです。すると、お客様から「マスター」「大将」と呼ばれるようになりました。スタッフとの関係も変わっていきました。その時から店が繁盛するようになった気がします。

有限会社いっとく 代表取締役 山根浩揮氏

有限会社いっとく 代表取締役 山根浩揮氏
広島県尾道市で13店舗を展開。居酒屋大サーカスの発起人であり代表理事。
(居酒屋甲子園 前理事長)

「戸が笑う」という言葉がありますよね。お客様が店前に立つだけで、店のイキイキした雰囲気が伝わって入りたくなる店だという意味です。ファザードを変えるという話も大事ですが、何よりも人や雰囲気、良い店づくりが大切です。経営者のやるべきことは、スタッフが育つ環境を作るという事です。

これまで地域密着でドミナント展開をしてきました。店創りは街づくりといいますが、街づくりをしようと一生懸命やってきたわけではありません。一店舗一店舗お客様に来てもらえるような店を作った先に、良い街づくりに繋がるのだと思います。尾道に来て、私の店(会社)でご飯を食べて、「尾道に来てよかった」と思っていただけことが、愛される店創りだと私は考えています。

弊社森下篤史/山根浩揮氏